ライフネット生命出口会長を働く女性で取り囲んで「任せる仕組み」を考えた

女性×ポータブルキャリア | 2017.1.28

2017.1.28公開 | 2018.11.25更新


女性のキャリアは私自身にとっても自分ごとの課題。
ということで、様々なアプローチで壁となっている問題、そしてその攻略法を探索しています。

こちらの記事では、上記の一環で開催した「女性をターゲットに、私の大好きな経営者のお話しをインスピレーショントークに「働き方」を考えるセッション」の記録をお届けします。

開催の経緯

非常に私的な感傷で恐縮ですが、私は前職で少しだけ経営企画職を経験させていただき、経営の視点にほんのりと触れられたことが自分にとって大きな転機になったと思っています。
理解できないことや考え方のギャップに苦しんだりもしたけれど、それも含めて、やはり考え方の幅が広がったな、と。

そしてそれは現場で頑張っている人にこそ伝えたい考え方。

あなたたちのアクションの先にはこういう視点がある。
あなたたちの想いはこうつながっていく。

そういったメッセージを現場の人が受け取った上で、それぞれの「仕事」を考えていくことは、きっと大きな力を生む。

だから、現場で頑張っている方たちが経営者の方とお話しする機会は大きな意味があると思っていまして、そんな機会を作っていきたいというのが私の一つの野望だったりします。
そして、私が特に応援したいのは、やはり「頑張っている女性」。

そんな折、BBT大学様で管理職を目指す女性向けの企画を検討されているというお話を伺い、ご協力させていただくことになりました。
そして実験的に企画したのが、ライフネット生命出口会長を招いての女性限定セミナーを開催でした。

ご講演の内容

任せるために、まず仕事の見直しを

企画メンバーで打合せを行った際に、満場一致でテーマに上がったのが、出口さんの著書「任せ方の教科書」。

自分たち自身も含めて、働く女性の課題は「任せられない」こと、それ故に「ぱっつんぱっつんになってしまうこと」にあるのではないかと感じていたのです。

そんな私たち女性陣に向け、出口さんは「ファクトで語ること」を通して、「ファクトベースで考えれば、女性も男性もなく目指す姿は見えてくる」と伝えてくれました。

特に印象に残ったのは、昨年末から色々な企業様でも重要視されている「残業の削減」について。
このテーマで話をすると、よく「若いうちは徹夜するくらい打ち込まないと習熟しないのでは?」という議論が出るので、「若いころの長時間労働が生産性高めたというファクト(研究論文なり)を送って」と伝えているが送られたためしはないという話(゚Д゚;)
長時間労働を是正することのメリットはファクト示せても、長時間労働自体のメリットはファクトないでしょうねえ。。。

とはいえ、なかなか今ある仕事を減らせない…という悩みも現場にはあります。
それに対しては、上司の仕事に対する考え方を「∞から無減代」に転換しましょう、と仰っていたのが非常に印象的です。
仕事を∞に広げていくというあり方から、不要なことは無視(無)、要らないものは減らす(減)、できるだけ使いまわす(代)へ。

内部用のドキュメントをきっちり作成する文化のN生命様出身の出口さんがおっしゃると説得力がありますね(;・∀・)
このビジョンをチームで共有できたら、成果は変わらず時間は短く、もできるはずです。

自然体の自分で任せる力

そして話は具体的にどう任せるか?に迫ります。

任せることは、メンバーの力を活かして働いてもらうこと。すなわち、チームとして成果を出すことだと思います。
そのために大切なことは、部下のやりたいことや得意なことを知り、それに応じた仕事をふること。
故に出口さんは、「部下とよく話し合う」「よく面談して能力を見極める」ことが何より大切と仰います。
例えば配属したてのメンバーなど、まだ十分に面談できていないメンバーと仕事をする場合は、目の前の仕事をうまく進めることよりも面談を優先した方がいい、と仰っていました。
任せられる範囲の仕事を刻んで試していくのではなく、まず自身が納得するまで相手を知るのだ、と。
出口さんのリーダーとしての姿勢が伝わり、非常に感銘を受けました。

一方で、理解した結果、どうにもモチベーションを引き出せない相手、というのもいるものです。
いわゆる「合わない」相手。いますよね。だって人間だもの(;・∀・)
だからと言ってリーダーたるもの、避けるわけには行かない…とお悩みポイントです。
そんな悩みにも出口さんのお答えは明快。

「合わない場合は無理せず素直に言います。
 それでも自分がリーダーなので、そこは自分のやり方に合わせてほしい、とお願いする。」

自分を殺して相手に合わせるのではなく、自分らしいまま、自然体で接する。
対話を経た上だからこそ機能する「任せ方」ではないでしょうか。

また、対話した上で能力を引き出せない相手にどう仕事を任せるか?という問いには、2・6・2の法則を引き合いに、後方集団に合わせて組織全体が遅くなることがないように、前方集団にどんどん仕事を任せると仰っていました。
そこだけ切り取ると、ちょっと非常なようにも聞こえますね。
出来ない人は全然仕事が得られず、どんどんモチベーションが低くなってしまうのでは?と不安を感じます。
だから前提として、どのメンバーにも均等に継続的な対話を行うことが大切です。

 「仕事」は出来る「人」に振る。「人」は組織全体を均等に見る。

(短期的な)プロジェクト視点と(長期的な)組織視点を持った「任せる仕組み」を学ばせていただきました。

ポジティブな心で任せる力

もう一つ、参加者の皆様が気づきを得ていたのが、ポジティブな心のマネジメント。

部下の力を引き出すためにまず抑えておきたい真理が、「部下は楽しいときによく働く」ということ。
上司が愚痴ばかり、元気のない顔つきをしていたら、部下は楽しく働けません。
だから「人の上に立つ人は鏡を持っておきなさい」と出口さんは仰います。

さらに、ファクトで語る出口さんは「根拠のない精神論より科学的なマネジメント」が重要であるとも仰います。

ポジティブ発言とネガティブ発言の割合と組織の生産性について論じたロサダの法則について触れ、ご自身もポジティブな働きかけを重視していらっしゃると教えてくださいました。
このポジティブな働きかけ、ですが何も言葉で褒めることだけではなく、「廊下ですれ違った折ににっこり微笑みかける」といったものも含まれるのだそうです。
つまり、チームの中で「あなたを認めている」というサインを送っていくことが重要なのですね。

対話で深める

ご講演と質疑応答を経て、参加者の皆さまそれぞれに気づきや想いが芽生えたところで、5~6人のグループに分かれて、「明日からつくる任せる仕組み」について対話していただきました。
女性の集まった場、ということで各テーブル瞬く間に盛り上がっていきます。
会社や立場は違えど、「働く女性」という共通項が皆さんをつなぎ、本当に実現したい働き方、任せ方、そのための課題に率直に向きあえているように伺えました。

さらに、短い時間ではありましたが、出口さんにも各グループの対話に参加いただきました。
女性のにぎやかな会議にもすっと入って行って下さる出口さんの器に感服です。
ご協力のおかげで、女性だけ現場だけの視点に偏らず、企図していた視点の交流と創発の場に近づけたように思います。

今回準備が足りなかった点もふりかえりつつ、またこのような場を作っていきたいです。