五感は場の形成に影響を与えるか~尺八×古民家×対話を実験してみた~

場づくり実験 | 2018.6.17

2018.6.17公開 | 2018.12.9更新


アパート生まれマンション育ちで、決して一軒家で育った経験はないのに、何故か落ち着く気がする古民家。
昨今のリノベーションブームもあり、古民家カフェや古民家ゲストハウスにときめき、ゆったりと落ち着く空間を楽しんでいます。

だがちょっと待て。

それって本当に落ち着いているのか?
錯覚ではないのか?
単純に古民家好きな自分素敵ー( *´艸`)みたいな感覚だったりしないのか?

…というのは穿ちすぎだとしても、なんとなく感じている「古民家の居心地の良さ」は実際にアウトプットに影響を与えるレベルで存在するのか?という問いに非情に興味がわいてきました。

というわけで、検証してみました。

「聴く・感じる・つながる 」〜古民家×和楽器×対話〜

音楽が対話に及ぼす効果に興味を持っている友人との化学反応で、「古民家×和楽器×対話ってなんか面白い効果出そうだから検証しようぜ」という形の実験イベントになりました。
実際に場に組み入れた要素と結果を記録しておきます。

組み入れた要素

要素1:古民家

古民家の様子

会場としてお借りしたのは文京区の築60年の古民家「健康古民家かのう」さん。
光の差し込む日本家屋は、開放感と同時にやはり落ち着く雰囲気があり、内省的な対話に向いている気がします。

要素2:尺八の演奏

演奏をお願いしたのは小野木 光雅(おのぎ こうが)さん(または、おのPさん)
尺八をはじめとする「和楽器」を、もっと身近なものにしたいという考えから、作曲・演奏活動等を行っていらっしゃる方です。

恥ずかしながら私自身尺八の演奏を生で聞いたのは初めてだったのですが、魂の息吹が込められているのを強く感じながら、どこか控えめな感じもある、個人的には「潔い」という印象を抱く演奏に感じました。

※雰囲気が知りたい方はこちらからCDを試聴できます!(でもライブがおすすめです)

要素3:対話の設計

「尺八の演奏を皆で聴き、同じ体験をしたことを元に対話を進める」という基本構成を繰り返しながら問いを深める設計にしました。

  • 1曲目
    • 流れ
      • 演奏を聴いて、その感想をそれぞれ表現してもらい、その結果をグループ対話で確認
    • 仮説
      • 同じ体験をしても感じ方が多様である(異なる表現が出そろう)
      • それを知ることで「人は多様である」という認識を与え、その後の対話における他者受容度が促進される
  • 2曲目、3曲目
    • 流れ
      • 「人とつながっていく」というテーマについてインスピレーショントーク
      • その後、尺八の演奏を聴いて、グループ対話を実施
    • 仮説
      • 古民家で同じ演奏を聴く体験を共有したことで、場への安心感が促進され、早期に深い対話ができる

場に及ぼした効果の検証

検証1:感じ方の多様性

こちらは狙い通り、多様な表現が出そろいました。
  
例えば私は風をまとう白蛇様を思い浮かべていました。(オタクっぽいのは仕様なのでしかたがありません)
一方で川の流れと山という情景を描く方もいれば、平安時代?を想起する方も…と同じ音色から様々な表現が生まれておりました。

曲の中で印象に残った部分もそれぞれなら、それをどのように感じるか、そしてどのように表現するか、
同じ体験をしても生まれるものは様々であることが示されました。

検証2:対話に与える影響

こちらも、場で感じたこととしては、場の温まり方が通常よりも早く、仮説通りの効果があったように思います。
(もちろん全く同じプログラムと比較したわけではないので感覚的な評価でしかありませんが)
場が温まっているといっても、穏やかでどこか客観的に話しているような印象を受けたのは、尺八の演奏を聴いている段階で皆が一種のトランス状態にかかっていたのではないかと推測しています。
このあたり、脳波測定とかで検証してみたいですね。
 
古民家の雰囲気(光、風、湿度)といったところは、演奏の効果の強化材料に働いていたのではないかと現場を観察していて感じたことでした。

また、定量的な評価として、対話の質と影響要因についてのアンケートも回答いただきました。
(1:非常にそう思う ~ 5:全くそう思わない の5段階評価)

母集団が少ないので一概に比較はできませんが、他のワークショップでの実績よりも 1(非常にそう思う) の割合は多くなっています。

回答に影響を与えた要因として会場・尺八それぞれをほぼ全員が挙げてくれています。
仮説を引き続き検証したくなる程度にはポジティブな結果ではないかと。

検証3:個人的な満足

ここまでの流れと何ら関係ありませんが、個人的に「いつか着物で英語でファシってみたい」という野望を持っておりまして、今回の機会に「着物でファシ」に挑戦させていただきました。

場に与える影響力は検証できていませんが、個人的にはテンション上がりました( *´艸`)

というところで今回の実験記録は以上です。
このテーマはもう少し評価方法をきちんと設計して、引き続き実験していきたいと思います~♪