リモートワーク 、 テレワーク 、 リモートプロジェクト 、 リモートチーム
そんなキーワードも周知が進み、離れた場所で働きながらチャットツールで情報共有することやリモート会議、WEB会議、テレカンといった手段でミーティングを実施したりすることも割と一般的になってきたのではないかと思う今日この頃。
少なくともビジネスシーンでは「WEBミーティングでお話ししませんか?」といって戸惑われることはなくなってきたように思います。
一般的になってきたということは、様々な人が参加するようになってきたということ。
そんなタイミングにおいては、ある程度のお作法のようなものも必要になってきます。
様々な人が参画するプロジェクトにおいて、「リモート」という要素が加わることはどのような影響があるのでしょうか。
離れた状態で、プロジェクトという共同作業を生産的に実施するには、どのような考慮が必要なのでしょうか。
この記事では、私自身がリモートプロジェクトを回したり、女子高生のリモートプロジェクトのメンターを務める中で感じた「リモートプロジェクトの可能性と難しさ」。
それを棚卸しすることで、リモートプロジェクト推進に向けた知見を広げていきたいと思います。
目次
リモートプロジェクトのミーティング
いわゆるWEBミーティング、テレカンなどで行われるミーティング。
これは一つ分かりやすいファシリテーションポイントです。
ここで行っているファシリテーションを日本ファシリテーション協会(以下、FAJ)定義の基礎スキルに当てはめて考えてみると、以下のような感じでしょうか。
※FAJ定義のファシリテーションの基礎スキルについては、リンク先を参照ください
場のデザインのスキル
- 何のツールを使うかの選定、アナウンス
- 使い方のマニュアル共有、WEB会議のマナー共有なども含まれるかも。
- 個人的にはZoomで画像ありがおすすめです。
- アジェンダの作成、共有
- リモートプロジェクトに限らず重要なものですね。
対人関係のスキル
- 基本的にはオフラインと同じスキルだけど、気持ち大げさ目に実施
- メッセージを受け止めたことを明示的に示すために、発言をチャット等で書き留めたり。
- 「カメラに映っていないところで起きていること」の察知が難しいため、関わるべき事象をすべて拾えていないことには注意が必要です。
構造化のスキル
- WEBミーティングツールのホワイトボード機能を利用
- 私は現状うまく使えていないのですが、iPadなどのタブレットツールを駆使するとよさそうです。
- ドキュメント共有ツールで同時編集しながら議論の構造を共有
合意形成のスキル
基本的にはオフラインと同じポイントを押さえておけば大丈夫です。
まとめ
オフラインのミーティングで意識していることを同じようにやる、ということが原則です。
そのために、オフラインよりも力を入れたり、違うツールを使ったり、という感じですね。
ミーティング以外のシーン
リモートプロジェクトの場合はチャットツール(slack、チャットワークなど)を通じてコミュニケーションをとることが多く、可視性は高いといえるでしょう。
しかしそれだけで上手く促進されるわけではなく、色々なスキルが必要です。
場のデザインのスキル
- slackであればチーム、channelの設計
channelのtopicなどを記載して「目的」を共有することで、チームの方向付けにも効果を発揮します。 - ユーザネームやユーザアイコンで特性を発信してもらうことで相互理解を促進
結構デフォルトのアイコンままの方が多いのですが、是非オリジナルのものを使用するよう働きかけていただきたいです。
仕事だからふざけちゃいけない?
ではそんなまじめな仕事への想いを表現するアイコンを探してきてもらいましょう。
少なくとも誰が発言しているかがぱっと見でわかることは効率性の観点からも必要です。
対人関係のスキル
- 「読んだよ」というメッセージの発信
これは地味ですが、蓄積することでプロジェクトの雰囲気を大きく左右する要素です。
特に共感性の高い方の場合は、自分が反応するのが当然と思っている一方で、反応が返されないと「自分はプロジェクトに必要とされていないのでは?」といったネガティブ思考を誘発してしまうこともあります。
LINEでやりとりしていた女子高生のリモートプロジェクトで、既読無視がつらすぎて泣き出したメンバーがいたことは強く印象に残っています。
slackやfacebookメッセンジャーなどでは、メッセージごとにリアクションをつけられるので、伝えやすいですね。
構造化のスキル
チャットで即時性のあるやりとりを行いつつ、定期的に情報をストックするようにします。
何をフロー情報として何をストック情報とするかの設計はプロジェクトの特性に合わせて検討が必要です。
合意形成のスキル
顔の見えない状況では一人ひとりのプロジェクトへのエンゲージメントは図りづらいものです。
特にプロジェクトの方向性に納得して動けているかどうかが気になるときなどは、1対1のダイレクトチャットやWEBミーティングで確認する必要があります。
まとめ
リモートプロジェクトでは、一人ひとりが表に出さないことを見つけることは非常に難しいです。
そのため、いかに「表に出す」ことを促進するかのファシリテーションが重要であると考えています。
総じて
まだまだ始まったばかりの可能性なので、対人関係のスキルでお作法的な課題が多いですね。
一方で構造化のスキルは技術を活用してよりコスパ良く対応できそうな気がします。
ただ、基本的にPC前提(長文を打ったりクラウドツールと連携したり)なので、スマホでの利便性というところはこれからの発展余地かもしれません。
(スマホだけで頑張ってた女子高生のリモートプロジェクトは大変煩わしそうでした。)
そのうちAIスピーカーと連動して、スマホとTVがあればリモートプロジェクトは回せるようになる未来がきたら、より様々なステイクホルダーを巻き込んでのプロジェクトが可能になりますね。
そんな未来が来ることを楽しみに、リモートプロジェクトを楽しんでいきましょう!