情景描写ピアニスト・ 山地真美 をご存知でしょうか?
ご存じないという方は、まずはこの動画をご覧ください。
さまざまな地域の素晴らしい風景をドローンで撮影した映像にあわせて、どこか透明感のあるピアノ演奏の音色が流れています。
実はこのピアノ演奏はピアニストの 山地真美 さんが、それぞれの地域を訪れたその場で即興で演奏しているものなんです。
その地域を訪れて、その地域に感じるエネルギーや物語にインスピレーションを受けて生まれた音楽。
「その地域だからこその<音楽>」を、「<音楽>のお土産」として未来の地域に残したい。
そんな山地真美さんの想いから生まれた音土産プロジェクトに、私もファシリテーターとして関わっています。
…という話しをすると、よく驚かれることが多いので、私視点の音土産プロジェクトのご紹介をさせていただきます。
目次
音土産プロジェクトとは?
岡山出身・在住のピアニスト 山地真美 さん。
岡山大学法学部法学科卒業後に上京してピアニストになったという異色の経歴の彼女が、東京での活動時に独自の表現としてふるさと岡山を描いた音楽を発表したことからこのプロジェクトは始まりました。
現在は、岡山をはじめ全国各地の情景や歴史を、ピアノでの即興演奏とドローン撮影による迫力のある映像とともに全世界に発信しています。
これまで米ロサンゼルス、中国上海、コスタリカでも公演を行い、「情景を音楽で描く日本人ピアニスト」として各国メディアにも多数取り上げられています。
この記事は私視点の音土産プロジェクトのお話、ということで<公式>のお話しはこの程度で、割愛。
プロジェクトの詳細はプロジェクトのnoteにまとめられていますので、興味を持ってくださった方はご参照ください。
また、山地真美さんがどのような想いでプロジェクトビジョンを構築されたかについては、下記のインタビューで掘り下げられています。
なぜ音土産プロジェクトに関わっているのか?
というわけで本編。
よく不思議そうに聞かれる、「なぜあなたが音土産プロジェクトに関わってるんですか?」について。
確かに、岡山出身でもなければ、ピアノは小学校でリタイアというお粗末な経歴の私が、ピアニスト・ 山地真美 のプロジェクトのファシリテーターを務めているというのは、疑問符が乱れ飛ぶことかもしれません。
その訳は…
対話を通じたコミュニティ活動と芸術の掛け合わせが面白い
上述の通り、山地真美さんの音楽は、その土地のエネルギー、物語、人の想いなどにインスピレーションを受けて生み出されます。
時には、地域の人の想いをワークショップ形式で組み上げ、言葉を紡いだり音楽に織り込んでいくこともあります。
また、生まれた地域の音楽を未来に残していくためには、音楽を演奏していく人づくりも必要です。
そのため、音土産プロジェクトには地域の音楽コミュニティ形成というミッションも含まれるのです。
例えば、先日開催された瀬戸内国際芸術祭2019のオープニングセレモニーでは、芸術祭の入り口となる宇野港を有する玉野市の児童とのワークショップから生まれた「みずいろせとうち」という楽曲を地域の人250名で合唱しました。
このように、
- 芸術創作活動
- 地域コミュニティ活動
二つのプロセスそれぞれに対話の手法を取り入れながら、サイクルを回していくという非常に興味深い構造になっているのです。
この構造を最大限に生かして加速させるには・・・、構造厨の私には魅力的すぎる問いです。食べずにはいられません。
というわけで、山地真美さんの活動の中で一部の対話の設計部分をお手伝いしています。
山地さんが創作のために引き出したい想いや、コミュニティ設計に向けて、効果的な問いかけを設計するほか、音土産プロジェクトの構造に対する私自身の仮説検証も兼ねて、場を作っています。
地域を舞台とした総合表現だから、色々な人とのコラボレーションが楽しい
ピアノ即興演奏とドローン撮影という異色の組み合わせ「浮世音」作品が示すように、山地真美さんは、地域の魅力を表現する様々なアート・活動とのコラボレーションに積極的に取り組んでいます。
これを色々な地域、いろいろな活動に広げて行ったらどんなことができるだろうか。
例えば、地域の魅力を表現する活動をしているアーティストさんとのコラボアート
例えば、その土地で育まれたお酒、食べ物を味わいながら演奏を聴く五感フル活用コラボ
例えば、地域の伝統芸能とのコラボステージ
などなど、ワクワクする組み合わせが色々思い浮かびます。
そして、さらには、つながりのある地域同士をつないだ音楽作品の作成・演奏による地域交流まで…夢は広がります。
そんな思いついてしまった夢を、音土産プロジェクトの中のサブプロジェクトとしてゆるりと育てております。
残したいという気持ちが愛おしい
ここまでは私の元々の関心ごとと音土産プロジェクトが重なり、シナジー効果を得られるから関わりたいという話で、最後は音土産プロジェクトに教えていただいた話です。
左右の画像は同じロケーションを切り取ったものです。
2018年の豪雨で流されてしまった岡山県建部町の幸福橋(しあわせ橋)の被災前後を描いた浮世音作品からは、今当たり前のように感じている「ふるさとの姿」は決して当たり前のものではないということに気づかされます。
意識して残さなければ、私たちの愛おしいこの風景を未来の仲間たちに伝えていくことはできないのです。
別に伝えなかったからと言って死ぬわけではありません。
でも、自分の愛おしい風景を、まだ見ぬ未来の誰かにも愛おしいと思ってもらいたい。
そんな風に想う人たちがいる地域は、きっと変わった先の未来の姿もまた愛おしいものであるでしょう。
私自身は変化を好ましく思う人間ですが、だからこそ、変わらない姿を残したいと思うその想いにも共感し、愛おしく思って、一緒に音土産を残していこうと決めたのです。
どんな風に音土産プロジェクトに関わっているのか?
パトロンとして
元々は「持続可能な地域」をテーマにしたフューチャーセッションの参加者だった知人の紹介でコンサートに伺ったのが始まりです。
その後何回かお話しする中で、「2020年までに日本全国を舞台にして浮世音作品を100本残したい!」という挑戦を支援したくなり、ファンクラブ型クラウドファンディングのパトロンとして支援しています。
そして生み出された作品を作業用BGMとして、日々旅の気分に心を飛ばしています。。。
プロジェクトファシリテーターとして
パトロンとしての支援を通じて山地真美さんの想いを知る中で、彼女の取り組みを持続的に回していくためにはもう少し仕組みが必要だと考えるようになりました。
そして、その仕組みづくりをお手伝いしよう、ということでプロジェクトの顧問ファシリテーターとして関わらせていただくことに。
具体的には、以下のようなことをしています。
- 山地真美さんとの対話を通じて彼女の実現したい世界観を言語化
- ↑に向けて、巻き込んでいく人や作っていくプロセスをデザイン
- ↑の実施にあたっての細々とした支援
意外と色々やっております。
勿論全部自分でできるノウハウやリソースがあるわけではなく、私自身もまた周囲の方の知見・スキルをお借りしながら進めています。
音土産プロジェクトのゆるやかなチーム作りも含めて、ゆるゆると進めている、という感じですね。
山地真美さんは私以上に妄想大爆発型なので、追いついていくのが大変なこともありますが、だからこそ、上述のように「このプロジェクトでしか実験できないこと」が沢山ある素敵なプロジェクトでもあります。
これまでに経験してきたことやご縁をフル活用しながら、山地真美さんに置いておかれないよう実験と施策を繰り返していきたいと思っています!
プロジェクトに巻き込まれてみませんか?
ここまで長々と読んでくださった方は、そろそろ音土産プロジェクトのことが気になって仕方がないんじゃないでしょうか。
そこで改めて、是非動画をご覧になって、プロジェクトの世界観に触れてみてください。
チャンネル登録も是非お願いいたします!
そして音土産プロジェクトの世界観の重ねて、「こういう風にできるんじゃない?」「こんなことしてみたい!」ということがありましたら、是非ご連絡ください。
未来に音土産を届けたい大事な場所をお持ちの方、一緒に音土産を届ける仕組みづくりを楽しんでくれる仲間はいつでも大歓迎です。